膝蓋骨内方脱臼 その①

膝蓋骨内方脱臼は主に後肢(後ろ足)の膝蓋骨(ひざのお皿)が、滑車溝(膝のお皿が収まっている溝)から内側へはずれてしまう(脱臼する)状態をいいます。症状が進行するにつれて様々な症状が見られますが、初めは無症状の場合が多いですが徐々に進行してゆき足を上げるようになります。

小型犬に圧倒的に多く、原因は生まれつき大腿骨と脛骨が変形していることが大きな原因となります。
下の写真 左はほぼ正常な膝関節です。大腿骨(太ももの骨)と脛骨(脛の骨)がほぼ一直線になります。
中の写真は、膝蓋骨内方脱臼(グレード③)のワンちゃんのレントゲン写真です。大腿骨と脛骨がS字状になっているのがお解りだと思います。右の写真の緑の矢印で表したように脛骨が大腿骨に比べて内側に捻じれているような位置にあります。その為、特に膝を曲げたときに膝のお皿が内側に牽引されて脱臼してしまいます。
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病気の進行はⅠからⅣまでのグレードで表されます。

グレードⅠは脱臼しても自然に元の位置に戻り、関節の屈伸は正常に行うことが出来ます。

グレードⅡは大腿骨の軽度の湾曲、捻転の変形が認められる。膝関節を屈曲することで内方に脱臼します。

グレードⅢは膝蓋骨はほぼ脱臼したままで膝関節を伸ばした状態で用手にて整復が可能です。しかしそのあと屈曲すると外れてしまします。
関節周囲の筋肉の内方への変位や脛骨の変形を伴います。

グレードⅣは膝蓋骨は常に脱臼しており用手での整復ができず、多くは大腿骨の滑車溝が浅いもしくは消失した状態になっています。

 

横須賀 つだ動物病院 津田 航